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のんびり温泉案内所

個人レベルのがんばりが観光地を救う - 4合目

第9章 資格許認可放棄という社会実験


県庁職員が私の会社にやってきて、いきなりテープレコーダーを机の上
に置いて私に書類を手渡そうとする。 
その県庁職員に対しての抗議の意味で、県庁に届け出をしていた旅行業
者としての資格許認可を放棄しました。

*** 2013/6/27 追記 
裁判資料をいただいたおかげで、この県庁職員がだれだったのかを知る
ことができました。
この「パトカー呼び出し事件」の期日は、平成21年、2009年3月
26日でした。

横暴な態度で背が大きい方の県庁職員が

藤田一幸(さん) 当時の観光物産課計画推進係長

人を上目使いに見る背が小さい方の県庁職員が

関口郁雄(さん) 当時の観光物産課副主幹 

公務員には「肖像権」はなく、公務を公開しても、ましてや裁判資料を
しても、何の罪にはならない事を確認した上で書き込みました。***  


放棄の理由は抗議の意味だけではありません。 
業種転換をし、さらなる経営の差別化戦略を推し量る目的もありました。 
頭に血が上っただけで旅行業をやめたわけではありません。 

お客さんに対しても、取引先であるホテル旅館やドライブイン、観光施
設などにしても、今までは私が旅行業者だからという理由があって仕事
の契約をしてくれたので相手にしてくれないのではないか。 
そういう心配がありました。 
相手にしてくれなかったら全く違う仕事をしようと、韓国語の案内板製
造業なる珍商売を試みたりもしています。 

結果は資格があってもなくても、取引先が減ることはありませんでした。 

正直に 

「はらぼじ観光は旅行業者ではありません。契約先のホテル旅館とグルー
プ幹事との架け橋になる他にない特別な業態の業者です」 

と伝えていきました。 

それを伝えた場所は、特定の人と業者ではなく世間一般に知らしめるとい
う意味で「広告新聞」という媒体を利用もしました。 

はらぼじ観光のホームページにも放棄の経緯と共に大きく伝えています。 

今回、ホームページの内容で全国旅行業協会は刑事告訴したのですが、
旅行業者の業態ではない、というメッセージを無視して刑事告訴しました。 

直接お客さんから旅行代金を受けとることはなく、観光関連の事業者を広
告宣伝する業態は他にもたくさんあります。 

1、各県の旅行業協会が賛助会員として傘下においている
 ○ 予約センター (または総合案内書という業態)

2、インターネット上のありとあらゆる業者

いきなり内容証明郵便、いきなり告訴、となったのが尋常ではないのです。 

警察は旅行業者の摘発など経験がないでしょうから、こまかな業態の差別
化の内容などの考えはなかったのでしょう。 
はらぼじ観光のオリジナルシステムは私にすれば無罪の証明なのですが、
強制捜査で(私からシステムの存在を教えられて)それを発見したときの
警察官達の顔は「証拠を発見した」という喜びを表すものに見えました。 

そして1ヶ月がたったら、取り調べの警察官の態度が変わった。 
事件性がないと判断したなら、素直に謝ればよいのに謝る代わりに「自分
では判断できない」という理由での書類送検です。 
なくてもよい「犯罪」を自らが作ることが仕事だなんて嫌な商売ですね。 

今までもっていた資格許認可というお墨付きを倒産廃業することもなく、
自ら捨てて、それで仕事を継続することができるのかどうか。 
私だからこそできた社会実験でした。 
結果、取引先が減ることはほとんどありませんでした。 

お客さんもほとんど変わりませんでした。 

実際に利用をしていただいたお客さんの中で特徴的な役所関係の組織が
ありました。 
自分の身分を隠すように予約から打合せを電話だけで済ませました。 
無資格業者だとホームページに明記してある、そのホームページを見て
の予約申込です。 
私の実の弟は刑務官で、職場の旅行やイベントは自らの「団体名」を伏
せて計画することは聞いていました。 
私はすぐに察知して、このお客さんのことを深く詮索せず、「うまく」
手配業務を済ませたつもりです。 
そしてこの「団体」、28人が現実にサービスを受けています。 

この団体は一つの警察署です。
新年会というような名目での職場全体のイベントとして利用したのでしょ
う。
取り締まるべき組織に関係する人が、無資格を知っていて利用をしてい
るのです。 
この仕事を犯罪だと言えるはずがありません。 


消費者も事業者も、役所が認めた業者だから利用しようという意思はない
のです。 
それを無理矢理そうさせようとしても無駄なことなのです。 

 百歩譲って許認可がなければ仕事はできない、と仮定しましょう。 
そうだとしても、基準を作る役所が自分たちの狭い視野での基準で決め事
を作っている。 
さもなければ大昔の環境で作られたもののまま。 

それを強要したところで、現実の社会から浮いた存在になるだけです。 

資格許認可を持っていたのでは、あれがダメ、これがダメ、といわれる。 
その上、あれがダメ、これがダメ、という相手が私に敵意を持っていると
したら、私はイジメに合っている子供であって、精神的に自分を殺さない
限り生きてはいけない。 
さもなければ登校拒否するしか自分の命を救う方法はない。 
資格許認可放棄は、あの偉くもないのに偉そうにしている県庁職員への当
然の対抗手段でした。 

20代の前半、代行運転のアルバイトをしていました。 
当時は代行運転という新しい業態は規制をする法律も役所もありませんで
した。 
代行運転業にもある時期を境にして規制がかかりました。 
警察か役所のどこかに「登録」をして車のボディーに登録番号を示すプレ
ートを貼りなさい。 
運転手は2種免許がなければダメです。 
条例か何かを取り決めて、代行車にも規制をかけられるようになりました。 

どういう時期から規制がかかるのか。 

それはそれを利用するお客さんの絶対数が増え社会的に仕事として認知さ
れるようになった時。 
ビジネスモデルが確立して「ものまね」でもその商売ができるようになっ
た時。 
ものまねでもできるから、供給過多になって価格競争に入る。 
価格競争以外にもお客さんの取り合いや無理な営業をする者も出て、結果、
事故や苦情が目に見えるようになる。 
事故や苦情を受けた役所が規制する決め事を作って、ついでに役所の仕事
の確保のためにも管理とご指導をするようになるわけです。 

飲屋街の衰退と共に代行業も全く稼ぎになりません。 
タクシーの料金設定のような規制をかける意味もなく、最低限の規制で済
ませているようです。 

バス料金は役所が取り決めていますが、実際の料金はそんな取り決めは無
視して動いています。 

はらぼじ観光の業態は他にはない業態です。 
指導管理する基準も法律も存在しないのです。 

8章で説明した価値観とニーズの多様化した新しい時代。 
小さな市場創造の必要。 
その観点からも役所が業者を指導管理しようとすること自体に無理がある。 
指導管理は上っ面のゼスチャーだけのこと。 
経営者ならだれでも知っていて、そんな指導管理とはかかわりたくはない、
と思っています。 
ただでさえ財政赤字は問題なのですから、意味のない指導管理という仕事
自体をなくしてほしいと思います。 

個人レベルのがんばりが
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